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みえの防災
防災コラム
平成18年11月28日

持続可能な防災教育に向けて 「特別なコト」からの発想転換を

 「防災教育」と言えば、年に一度の学校での避難訓練、または自治体などで行う防災訓練という答えが返ってくる。すなわち「防災教育」は、多くの人にとって「非日常の特別なコト」なのである。確かに、何十年に一度の大災害に備えるよりも、日常生活での様々な問題解決に追われるのが実情だろう。しかし、頻発する豪雨災害や東海・東南海地震による被害予想からみても、防災教育への期待は高まるばかりである。そこで、この一見「特別なコト」を日頃から続けるために、日々繰り返される「日常の営み」の中に組み込めないだろうか。
 例えば、学校教育の現場。理科では自然災害の発生機構への理解を助け、社会では消防や警察の役割、地域を学ぶ単元では危険箇所を探し、地図に書き込む工夫もできる。また、家庭科では配給食の栄養調査や炊き出しの訓練にもつながる。一方、環境や福祉に関する地域活動。過度なエネルギー利用は、地球温暖化を招き、海面上昇を引き起こし、海岸災害の危険性を高める。森林の伐採は、市街地での局所的な洪水を引き起こすなど、環境への心がけが結果として防災にも役立つ。また、事故や犯罪に巻き込まれやすい高齢者や障害者は、災害時にも同様に、被災者となりやすい厳しい現状がある。従って、日頃から高齢者や障害者が安心して暮らせるまちづくりを進めることは、福祉のみならず、防災上の課題の解決にもつながるのである。
 防災教育を「特別なコト」でなく、「日常の営み」の中に組み込んでいく知恵や工夫を、様々な立場や場面で出し合い、できることから始めていく。少しばかりの発想の転換だが、持続可能な防災教育を実現するための秘訣ではないだろうか。

名城大学都市情報学部
柄谷友香

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